庭園メモ
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上段の植物群
日本の庭は、ご多分に漏れず、春は桜、秋はもみじから逃れることは出来ません。その代わり、ソメイヨシノは少なくし、早咲き、遅咲き桜を主体にしている。河津桜、陽光桜、大島桜、八重桜、右近等々。秋より冬に楽しめる山茶花も植えられている。もみじは”いろはもみじ”、”さんごもみじ”、”せいがいもみじ”など、配慮されている。
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三波石峡
三波石峡は、群馬県と長野県の県境を流れる神流川の上流にあり、ここは関東地方随一の銘石の産地で石は変化に富み、三波四十八石とも言われている。当園にも多数の三波石が使われている。江戸、東京という大商業圏の石庭の産地として古くから知られている。四国伊予石に比べると高価なのが難点。
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紫雲石
読んで字のごとく、紫色の雲のたなびくような紋様の石ということで、最も品格のある高貴な石とされています。業者の間では、いろいろな石の混じりが複雑に絡み合って全体として美しい景色を持つ石の総称だと理解ください。当園にはこの他、黒紫雲石、赤紫雲石、茶紫雲石など多数配置されている。
浅黒い赤黒系紫雲石で男性的な存在感を示している。表面には細やかな白色の紋様が散りばめられている。
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石の流通
石は、大石といえども珊瑚石に見る如く、広く全国を流通している。三波石の業者が北海道に石を運び、帰りに北海道の石を持ち帰る。同様に九州の業者が京都に行き、石を納めて帰りに各地の石を持ち帰る。このようにして当園にある夕張石も、日高の赤石も、九州大分の黒紫雲石も四国の業者から納入されました。銘石は割れない限り、時代を超えて全国を流通しているということです。