伊勢鎧岩

チャートはSiO2を90 %以上含む堆積岩であり,緻密で硬い。ノジュール状チャートと縞状チャートに分けられる。
縞状チャートはチャート層と泥質層の互層から成る。
縞状チャートは主に珪質微化石堆積物の固結が成因となり,放散虫チャート・珪藻チャート・海綿骨片チャートなどがある。
中・古生代チャートは微晶質~隠微晶質石英を主とし玉髄質石英をともなうことがある。
日本ではかつて角岩と呼ばれていたが、適切でないために現在は角岩の呼称でチャートを示すことは少ない。
主要鉱物が石英であるため、モース硬度は7に近くとても硬い岩石である。それを利用してチャートの一種鉄や黄鉄鉱に打ち付けることで火をおこす火打石としても利用可能である。火打石の代表格であるフリントもチャートの一種である。
本石は三重県産の赤色縞状チャートであり、秩父帯に属するジュラ紀付加体であると考えられる。原岩の形成年代は石炭紀~ジュラ紀。赤色の由来は赤鉄鉱をはじめとする酸化鉄。
詳しく観察すると地層面が不連続であることがわかる。これは海底地すべりが原因であると考えられる。