珊瑚石 重量15トン
この一石
この世に二つとなかりしか
仁淀川の地元では「赤こぶ石」として垂涎の的であった貴石。三重県に三十数年前嫁入りし、嫁ぎ先の事情で四国に里帰りする途中、そのまま当園を再婚先に選んでくれた由緒ある銘石。雨に濡れると殊の外、美しさを増す。
珊瑚石(珪質砂岩と石灰質砂岩の互層岩)。広域変成岩に変わる作用(低温・高温)で珪質部が断裂し、互層としての特性が失われている。珪質部が風化作用に対して強く、石灰質の部分が弱いために微妙な凹凸ができ、弱い酸化作用による赤珊瑚を思わせる色調は、個性的な美しさを誇っています。
「メモ」石の流通
石は、大石といえども珊瑚石に見る如く、広く全国を流通している。三波石の業者が北海道に石を運び、帰りに北海道の石を持ち帰る。同様に九州の業者が京都に行き、石を納めて帰りに各地の石を持ち帰る。このようにして当園にある夕張石も、日高の赤石も、九州大分の黒紫雲石も四国の業者から納入されました。銘石は割れない限り、時代を超えて全国を流通しているということです。